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「個人戦はでてもらうことになるよ。
でも、団体戦は私達、2,3年より実力があれば出てもらう。
貴方たち経験のない人でも、
努力をして私達より上手くなれば
いつでも団体戦に出てもらおう。
個人戦は試合ができそうなくらいの
基本要素ができていれば出れるようにしよう。
基本は二年生からだ。でも、基本にはまる気は私達にはない。
『やる気のある子が試合に早く出れるようになる』
って覚えておいてほしい。」
「は、はい!」
「ほかに質問のある人は?・・・・ないようだね。
それじゃあ、少し打ち合ってみようか。」
副部長はそういってラケットを配った。
紗英たち、未経験者と経験者ともに打ち合って仮入部は終了。
紗英は帰ろうと校門へと向かった。
「紗英さん、一緒に帰ろ!」
後ろからいきなり肩を叩かれた。
「わっ、美香。ビックリした。うん、いいよ。」
「あ、田中君がいる。」
美香は夏樹のほうをボーと見ながら言った。
「どこどこ?ほんとだ。よ~し。」
紗英は夏樹のほうに走っていった。
「あら、行っちゃった。ふふふ。」
美香は不気味な笑い方をして紗英を見送っていた。
「田中・・・わ!!!」
紗英は夏樹の耳元で大声を出した。
「!?」
夏樹はいきなりの大きな声に耳を塞ぎながら後ろを振り返った。
「杉村!?なんだよ。」
「へへ、びっくりした?」
目論みは達成されて紗英は満足そうに夏樹に笑顔を見せた。
「びっくりしたに決まってるだろ。なんか用か?」
「うん、一緒にかえろうかな~って」
「え?二人きりなんて…無理にきまって…」
夏樹はぶつぶつ言っていた。その途中
「紗英さん。私が田中君がいるって言ったら走っていかないでよ。」
美香は紗英が夏樹をビックリさせているのを笑顔で見ていて
ゆっくり校門から歩いて夏樹とさえのところへと来た。
「へ?あぁ…いいよ。」
美香も一緒なのを見て
夏樹は肩を落とすようにして見せた。
「はは、二人きりとか思った?」
紗英は似た笑いをしていった。
「な!?」
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