第1章 

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「個人戦はでてもらうことになるよ。 でも、団体戦は私達、2,3年より実力があれば出てもらう。 貴方たち経験のない人でも、 努力をして私達より上手くなれば いつでも団体戦に出てもらおう。 個人戦は試合ができそうなくらいの 基本要素ができていれば出れるようにしよう。 基本は二年生からだ。でも、基本にはまる気は私達にはない。 『やる気のある子が試合に早く出れるようになる』 って覚えておいてほしい。」 「は、はい!」 「ほかに質問のある人は?・・・・ないようだね。 それじゃあ、少し打ち合ってみようか。」 副部長はそういってラケットを配った。 紗英たち、未経験者と経験者ともに打ち合って仮入部は終了。 紗英は帰ろうと校門へと向かった。 「紗英さん、一緒に帰ろ!」 後ろからいきなり肩を叩かれた。 「わっ、美香。ビックリした。うん、いいよ。」 「あ、田中君がいる。」 美香は夏樹のほうをボーと見ながら言った。 「どこどこ?ほんとだ。よ~し。」 紗英は夏樹のほうに走っていった。 「あら、行っちゃった。ふふふ。」 美香は不気味な笑い方をして紗英を見送っていた。 「田中・・・わ!!!」 紗英は夏樹の耳元で大声を出した。 「!?」 夏樹はいきなりの大きな声に耳を塞ぎながら後ろを振り返った。 「杉村!?なんだよ。」 「へへ、びっくりした?」 目論みは達成されて紗英は満足そうに夏樹に笑顔を見せた。 「びっくりしたに決まってるだろ。なんか用か?」 「うん、一緒にかえろうかな~って」 「え?二人きりなんて…無理にきまって…」 夏樹はぶつぶつ言っていた。その途中 「紗英さん。私が田中君がいるって言ったら走っていかないでよ。」 美香は紗英が夏樹をビックリさせているのを笑顔で見ていて ゆっくり校門から歩いて夏樹とさえのところへと来た。 「へ?あぁ…いいよ。」 美香も一緒なのを見て 夏樹は肩を落とすようにして見せた。 「はは、二人きりとか思った?」 紗英は似た笑いをしていった。 「な!?」
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