第1章

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一週間ほど後、翔と公園で遊んでいた。翔が安田先生を連れてきた。 そのあと、翔は友達とタコ形遊具の方へ行った。 とても気まずい。 「気にしないで下さい。 高校生の時には話したこともない。知らなくて当然」 安田先生は、穏やかに笑った。 「でも、似た人は覚えてるかもしれないんです。」 彼は遠くを見て呟いた。 「□□高校生で、メガネでテニス部」 「その人は覚えてるかも」 少し、胸が高鳴った。 子供達の声がひっきりなしに聞こえる。 一陣の風が吹き抜けた。 「……とでも言うと思った?」 振り返った彼からは笑みが消えていた。 「似てるだろ。似せたんだから。アンタが見ていた奴に。 思い出さないのかよ。 安、田、正、太」 砂時計を差し出した。 背筋を冷たいものが伝った。 「正太くん、安田……」 「そうだよ、塾で一緒だった。 『あの後』俺は学校でイジメを受けた。中学校では一時期不登校。 ところが、高校は皆勤賞だ。何故だかわかるか?」 わかるわけない。 何を言われるのか恐ろしくて仕方がない。 「あんたを見つけたからだよ。 ケイコがストーカーだと俺を罵ったけど、そんなの恥のうちに入らない。 嘘をついたあんたがどうなったのかただの興味しかない。」 「ごめんなさい、あの時は、」 公園の近くの踏切が鳴っている。神経に直に警告するように。
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