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気が付くと見覚えのある天井が目に入った。
ここ何日か睡眠を取っているトレーラーの天井。
何時の間に戻って来たのだろうか?
確かにワームと戦い辛くも勝利したが俺は倒れた筈だ。
取り敢えず体を起こそうとすると、体中に激痛が走った。
それに上半身は裸で包帯が巻かれている。
戦いがあった事は事実らしいが、どうなっているんだ?
「くそっ!何だって言うんだよ……」
俺が頭を抱えていると寝室のドアが開き一人の女が顔を出した。
見た感じ俺よりも若く、俺が起きている事を悟ると笑顔で俺に寄って来た。
「気が付かれたんですね~。直ぐリーダー呼んで来ますから、待っていて下さいね~。」
一言俺に告げるとドアを再び開き戻って行った。
どうやら他の人間に助けられたらしいな。
バトルロワイヤルだって言うのに見ず知らずの人間を助けるなんて、とんだお人好しらしいな。
暫くすると再びドアが開き、さっきの女と一人の男が姿を現した。
「気が付いてよかったよ。まさか、こんな形で出会えるとは思ってもいなかったからね。」
「…その口振りからすると、俺を探していたのか?」
「正確には君達だけどね。アルカナのオリジナルに選ばれたライダー。それを2枚も持っている君に会えたのは幸いだけどね。」
「何故俺を助けたりなんかした?俺達は敵ではなくても、味方でもあるまい。」
「確かにね。でも同じ人間を助けるのに理由はいらないだろ?俺達は出会ったばかりだ。敵か味方かは、これから決めればいい話だ。」
「……確かにな。助けられた手前、あんたの話を聞くよ。今の俺じゃあ、まともに動くことすら出来ないからな。無駄な抵抗はしないさ。」
「助かるよ。まずは自己紹介からだね。俺はこのチームのリーダーをしている織田だ。彼女は高鳥。」
高鳥と紹介された女はペコリと頭を下げた。
「……秋津だ。」
「俺達の他にも今トレーラーには3人居るんだが、彼等とは後で顔を合わせてくれ。」
「質問が幾つもあるんだが?」
「構わないよ。」
織田は高鳥にお茶を頼むと俺が寝ているベッドの横に置かれている椅子に腰を掛ける。
運ばれたお茶に口を付け喉を潤すと俺は疑問を織田にぶつけた。
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