第1章〈生きるとは〉

3/8
前へ
/100ページ
次へ
メンバーに話を終えた織田は〈運命の輪〉のライダーについての説明を始めた。 「先ず疑問に思ったんだが、俺とお前のカードは変身方法が違うのか?」 「お前のカードはオリジナルだからな。オリジナルはドライブリーダーのセンターとサイド二通りの変身が可能なんだよ。センターはアルカナ、サイドはそのカードに秘められた他のライダーの力を得る。」 「成る程な。ならば俺は4通りのライダーに変身できるのか。暇があれば試してみるか。それと、お前も超高速で移動が出来るんだな?」 「お前が見た通り、このライダーにはワームと互角のスピードで戦う力がある。俺達はそれを〈クロックアップ〉と呼んでいるがな。体感時間にして1分間超絶的なスピードで活動が可能となる。実際の時間は数秒に過ぎないけどな。」 「超高速戦闘を可能にするクロックアップ……」 確かに成体ワームのスピードは驚異的だった。 あれでは幾ら防御力が高くても意味を為さない。 奴等に対抗するには奴等と同等か、それ以上のスピードが必要になる。 「万能とは行かないがな。確かにクロックアップは協力だが、その分攻撃力や防御力はお前に劣る。」 「それでもワームと戦うには絶対の武器になる事は変わらないだろ?そんな力を持ったライダーを複数抱えるZECTにどう対抗するんだよ?」 「確かにな。俺でも一人相手にするので精一杯だろうからな。だけどな、相手は同じ人間なんだよ。」 「?」 「ZECTの真の目的を知る者はZECT内部でも限られた人間だけだ。特に黒崎以外のライダーは知らない。奴等はあくまで自分自身の為に戦っているからな。チームであってもチームワークなんてのは存在しないんだよ。」 「複数のライダーを相手にしなくて済むと?」 「そうだ。大和は真意こそ知らないが黒崎に絶対の服従を誓っていて戦いは常に一人で行動している。大和相手なら、お前が援護さえしてくれれば倒せない相手じゃない。」 「残りのライダーはどうする?」 「問題はそっちだ。残す矢車と影山は常に二人一組だ。奴等を相手にするならば、お前もクロックアップ出来なければ勝機は薄いだろうな。」 「なら先ずは大和か……」 「都合よく行けばいいがな。そして万が一に備えて、お前にはクロックアップの欠点を教えておく。もしもの時は独自に判断してくれ。」
/100ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加