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その日も、カレジは悩みながら仕事をしていた。
お客が途絶えた時、ダンが話しかけてきた。
「…カレジ。」
「ん?じいちゃん、どうしたの?」
ダンは、カレジの目を見て、真剣に語りかけてきた。
「そろそろ旅立とうと…そう、思っているんだろう?」
「なんで、それを…」
「分かるさ。出会った時に、話してくれただろう?大切な人だ。探しに行かにゃならん。もしかしたら、どこかで困っているかもしれないじゃないか。私もここ数ヶ月、お客の話に耳を傾けてきたが…。やはり、君が探しているレンという人は、リグーン国の王子である可能性が高い気がする。まずはとにかく、一度リグーンへ行ってみるのがいいんじゃないかな。そこで会えるかもしれないし、会えないかもしれない。ダメだったらまた、ここへ帰ってくればいい。…な?」
カレジは素直に喜べなかった。
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