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ダンを一人にしたら、仕事だってなかなかキツいだろう。テーブルやイスを動かして掃除をしたり、料理だって、作るのはダン一人だ。
「私や店のことは気にせんでいい。お前が来る前だって、私は一人でやってたんだから。何かあれば、マーラやジェーンにも手伝ってもらえる。安心して行ってきなさい。」
押し出してくれようとするダンの言葉は嬉しかった。反面、とても寂しくもあった。
そこへ、客が入ってきた。
「いらっしゃい!…?」
カレジは気持ちを切り換えて接客しようとした。しかし、入ってきた客は、かなり怪しい。
一人はガッチリとした鎧を着けていて、手に槍を持っている。表情も険しい。
もう一人はかなり小柄で、頭からすっぽりと白いローブで全身を覆い隠し、フードを被っていて、顔もよく見えないので、男か女かも分からない。
ダンは普段は見せない鋭い目つきで警戒した。
「…お客様ではないようですが…ご用件は何ですかね?」
すると、小柄の方の一人が、ゆっくりとフードを外した。
短い金髪に大きな目。長いまつげで、とても可愛らしい。
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