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城の正門から入らず、兵士専用の小さな扉から城内へと入る。
入るとそこは兵士の更衣室へとすぐにつながっているため、多くの人間と顔を合わせることになる。
その人間の顔つきは私の顔を見ると、途端に表情を替え睨みつけるように見る。
「まだいたのか。」
そんな心の声も聞こえてくる。
仕方がない、帰る場所がここなのだから。
私は更衣室を抜けるもう一つの扉まで歩き、ドアノブを回す。
しかし回すことはできず、大きな手によって阻まれた。
横を見ると男がいるのはわかった。
わかっただけで、次の瞬間には私の体は思いっきり横へと飛ばされていた。
ガシャッ!!!
脇に置かれたバケツやごみ箱が散乱し、私の体や床をゴミまみれにする。
そのまま立ちあがろうと槍に手を伸ばすが、先ほどの男が目の前に来て右こぶしを振り上げるのがわかった。
ゴンッ!
という表現が正しいかわからないが、私はそのまま抵抗せず目の前の男にひたすら殴られ続けた。
「お前のせいで!おま…えのせいで!!」
男は涙を流しながら殴り続ける。
私の視点から考えればこいつは悪い奴で、私は無抵抗な人間だと思われてしまうだろう。
しかし、悪いのは私で正しいのはこの男である。
「なぜ、なぜっ!仲間を殺した!!」
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