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……
「…と言うことなんだが出来るか?」
「…当然ですわ。」
ドサドサッ…。
そう言って紫は集中するとスキマから二人が現れる。男の方は無駄な脂肪がそこまでなく、筋肉がある程度付いていて、女性の方はアリシアと色違いのドレスを着て赤い長髪が美しく、美人の部類だ。
「…此処は…。」
「…私達…あの魔族に…。」
二人は状況が掴めていない。それをよそに紗鬼は話し掛ける。
「やぁ始めまして。」
「君は…?」
「…感謝なさい。この方の慈悲で貴方達を助けたんだから…。」
「…まぁアリシアにでも感謝するんだな。ゴミは掃除しといたぜ?」
「っ!!そうだ私達が居なくなった後国は…アリシアや国民達はどうなったんだ!?」
王は意識がはっきりとすると国の状態を聞く。
「…あぁ安心しな。ゴミは人間を殺す前に殺されて、お前達は病気に倒れていると言うことにアリシアがしてたぜ。」
「そうか…ありがとう。…アリシアに会わせてくれないか?」
「食堂で待ってるんじゃないのか?」
その言葉を聞き、王と第1皇女は食堂に向かう。
「…やはりこの国は面白いな。…意地汚い権力者ではなく、国王が国民を大切に思う国…か。」
残った紗鬼は呟く。
「…以前の貴方なら無理難題な報酬を望んでいたのでは…?」
紫は紗鬼が謝礼について言わなかったのに少し驚く。
「おいおい。太いコネを作っとくのは基本だぜ?」
そう言って紗鬼は薄く笑って言う。
「それに、今この国を食ったって楽しくねぇだろ?」
………
「…。」
紗鬼さんがどうするのか解らないけどお父様とお姉さまに会えるのかな…。
…そう考えながら私は外を眺めて居た。
「アリシア!!」
突然聞こえた声、…振り向くとそこには私の大好きな二人が居た。
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