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………
「…そうか…遂に俺も子持ちか…。」
紗鬼は紫から幻想卿のことを聞く。
「今日、霊夢と早苗の子供である蒼華と楓の能力によって貴方が大結界から解放されたわ。」
「ふーん。…それで家畜共の様子は?」
「今まで我慢してたみたいだけど、ついさっき博麗神社を襲ってきたわ。…烏合の衆だったから幽香と天狗に任せてるわ。」
「…ほぉ。」
「…幻想卿には戻らないの?」
「生憎だが、どうやら今は幻想卿自体が俺を拒んでいるみたいだ。」
そう言って紗鬼は紫のスキマを造り出すと幻想卿に通じる道を開く。
「これで行ける筈なんだが、こうすると…こうなる。」
紗鬼はスキマに手を入れると、普通なら手はスキマの中に消えたように入るのだが、手は横から見ても存在している。
「…それなら私のならば…。」
「いや、駄目だろうな。」
「…そんな……皆待っているのに…。貴方が此処に…居るのに…。…それなのに幻想卿に帰れないなんて…。」
「そう悲観すんなって。俺から会いに行けなくともそっちからは来れただろ?だから大丈夫だ。」
「…えぇ。」
「…それから歯向かってきた家畜は殺した後人里の広いところにでも串刺しで突き刺しとけ。…家畜に恐怖を植え付けるんだ。」
「解ったわ。…それと後で幻想卿には返すから今博麗神社に居る子供達だけでも愛情を注いであげてね。」
紫はスキマを開くと、中から黒髪に巫女服の蒼華、緑髪と同じく巫女服の楓、銀髪でメイド服を着た紗夜花。
「あれ…紫お姉さん?」
「…蒼華と楓と…咲夜の子…か?」
「紫お姉さん…この人は?」
「…貴女達のお父さんよ。…後で迎えに来るから思いっきり甘えなさい。」
そう言って紫は消える。
「えっ…お父さん…なの?」
「あぁ。」
「っ…お父さん!!」
ガバッ…。
蒼華は紗鬼に抱き着く。
「おぉ。…蒼華…だな。」
「やっと…お父さんに会えたんだね…。」
「あぁ。今までごめんな。」
紗鬼は蒼華の頭を撫でる。
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