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「…まぁ俺からしたら弱者の部類だがな…。」
「…彼女達をそこまで言うとは…興味が沸いてきたよ。交流試合と言うことで戦ってみてはくれないか?」
王が言うと、楓から声がかかる。
「ヴェイン…ってさっきの人でしょ?…お父さんは元より、紗夜花ちゃんの足元にも及ばないんじゃないの?」
「そうだね。紗夜花でも十分圧勝出来るよね♪」
「…よし。紗夜花に勝ったら俺が戦ってやる。…勿論不殺の試合だぜ?…大丈夫か紗夜花。」
「うん。お母さん直伝の技があるから…。」
「…ふむ。…私達が信頼している彼女を娘さんが勝てる…か。…みせてもらおうか。」
「お父様!!」
「良いではないですかアリシア。…不殺の取り決めをしてますし、それに…魔族を簡単に殺したと言う人達の実力を見てみたいですし…。」
「お姉様も…。」
…………
その後、アリシアを言いくるめ、ヴェインと紗夜花の試合になった。
「…先に言っておくぞ。手加減はしない。私の狙いはあの男だ…。」
「ふふ♪お父様に勝つ人間なんて居ないのによく言うね♪」
「…。」
ヴェインは紗夜花を睨む。
「…それでは、…試合開始!!」
「一瞬で終わらす!![インティグネイトジャッジメント]」
ピシャーン!!
ヴェインが素早く紡いだ言葉は紗夜花の頭上から雷が降り注ぐ。
「ザ・ワールド!!」
それに対し紗夜花は唯一言言う。…その瞬間周りから音が、色が消える。
「…ほぉ。…時を止める力を受け継いだか…。…ヴェインも無詠唱って奴で強いのを使ったみたいだが相手が悪かったな…。」
何もかもが止まった世界。…そのなかで紗鬼は呟く。
「…不殺だからこれでお仕舞いだね。」
紗夜花はヴェインの背後でメイド服に仕込んだナイフを取りだし、突き付ける。…そして周りが動き出す。
「これでお仕舞い。」
「っ!?」
ヴェインは驚く。…目の前に居た筈の相手が後ろに居たのだから。
「勝負あり!!」
「ふふ♪手も足も出せずに負けた気分はどう?」
「…くそっ…。」
ヴェインは俯き、小さく声を漏らす。…試合を見ていた王達も、ヴェインがあっさりと負けたのを見て、言葉が出ない。
「こんな所で…しかも子供に負けたんだ……。」
ヴェインは剣を取り出す。
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