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「…やるの?此方はまだまだ力を隠してるんだからね。」
紗夜花はヴェインから少し離れる。
「いや、これ程の屈辱を受け、おめおめと騎士団に戻れる訳が無い…。」
そして剣を自分の首に当てる。
「ヴェイン!!馬鹿な真似はよせ!!」
「やめてヴェイン!!貴女に死んでほしくないわ!!」
二人はヴェインの行動を止めさせようとするが、
「私を拾っていただき、ありがとうございました。…ふっ!!」
ヒュッ!!ガキィッ!!
そして剣は降り下ろされる。…が、肉を切った音では無い違う音が響く。
「…なーにやってんだぁ?」
いつの間にか後ろに居た紗鬼が親指と人差し指で剣を掴んでいる。
「っ…殺せ…。貴様の娘すら倒せない私が」
「何を思って死ぬやら俺を殺したいと思ってんのか知らんが、面白いことを言ってやる。…死ぬなんて何時だってできんだよ。」
ガッ!!
そして紗鬼はヴェインを強く蹴り飛ばす。
「ぐぅっ!!」
「だがな、弱者は死に方を選べない。ならば更に強くなってから死ぬんだな…。」
そして紗鬼は紗夜花の方に行き、優しく頭を撫でる。
「お父様♪」
「流石咲夜の子だな。能力を受け継ぎ、相手が油断した時に使って後ろを取る。…今後も精進するんだ。」
「お父様?」
「これはあえて…お前達が驕らないように言うぞ。確かにお前達は強いだろうが、先程の試合は、後ろを取ったら先ずは一発は当てろ。…反撃されたらどうする?油断するのは相手を完全に無力化させてからだ。…いいな?」
「…はい!!」
「よしよし。良い子だ。」
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