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……
神社の中に二人の女の子…。緑髪の子は眼をつむり、なにか集中している。
「準備良いよ。」
緑髪の子は眼を開け、もう一人に声をかける。
「うん。お母さん達でも駄目だった結界からの開放…。…でも結界の強さも少し減ってる今なら……私と楓の能力ならお父さんを助けられる筈。」
黒髪の少女は眼を閉じ、集中する。
……夢を見た……
「…紗……鬼…。」
胸元から血を流し、俺の名を呼ぶ者を…。
……
「…うっ……過去は消し去れない…か…。」
深い森の中…。…背中から羽を出した男が立ち上がる。…その頬からは涙が流れていた…。
「…此処は…幻想卿の外…か…。」
「…俺のスペカが無くなってる。……それに……口調が…変わってる…?」
男は自分の両手を握り、力を確かめる。
「…どうやら力はあるみたいだな。」
男は背中から羽を出すと空高く飛翔する。
「ふむ。…結構大きな森なんだな。…そして…」
男の見下ろす先は広大な森。
「…どうやら元の地球に帰ってきたって訳じゃあ無いみたいだな。」
男は遠くに見える王国を見ながら言う。
「…さて、今度はどんな事があるのか楽しみだな。」
男は王国に向けて飛ぶ。
…………
「…!!……!!」
「…んぁ?」
男は空を飛んでいる途中に声が聞こえ、辺りを見渡す。
「…盗賊か。…狙いは馬車の中身か?」
男は少し考え、決心する。
「金の為に死んでもらうとするか。…あれの中身がよくある腐ってる貴族とかなら…ふふ。」
男は不適な笑みを浮かべながら地面に勢いよく降り立った。
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