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「…貴様は何者で何が目的だ…。」
騎士達は男を警戒する。
「…そうだな…流浪の旅人。目的は金の為に助けただけ。…じゃあ不満か?」
「…貴様程の力ならギルドで金を稼げている筈だ。」
「…んなこたぁどうでもいいだろ?それで?くれるのくれないの?」
「生憎正体の解らない者に渡す金等無い。」
「…ほぅ。なら皆殺しにしても文句は無いよなぁ?」
「っ…。」
騎士達は武器を構える。
「お待ちなさい。」
…透き通るような声が聞こえ、馬車からドレスに身を包んだ女の子が現れた。
「っ…姫様。」
「…ほぅ。」
「…私はスカイリア国第2皇女アリシア・クロードです。…良ければ貴方のお名前を教えてください。」
女の子はアリシアと名乗った。
「…当麻紗鬼。…此方だと紗鬼・当麻か?…まぁそんな小さいことはどうでもいい。」
男…紗鬼も名乗った。
「…紗鬼さんですか。…生憎今はお渡しできるようなものが無いんです。…王城まで来ていただけませんか?」
「っ…姫様!?」
「黙りなさいヴェイン。貴女達は助けは不要だったかも知れませんが、助けてもらっておいて礼をしないのは恥です。…そうではありませんか?」
アリシアは言う。…しかし、その表情は暗く、何かに耐えているようであった。
「…はっ。」
ヴェインと呼ばれた騎士は頭を下げる。
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