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「…あの王城に行ったら良いんだろ?さっさと行こうぜ。」
「…貴様…姫様になんという言葉遣いを…!!」
紗鬼を睨むヴェイン。
「良いのですヴェイン。…行きましょう。」
そして馬車は紗鬼という核爆弾を連れて王国に向かう。
…………
「…へぇ。結構大きいな。」
紗鬼は眼前にそびえ立つ城壁を見て言う。
「ふん。当然だ。」
ヴェインは相変わらず紗鬼を睨んでいる。…これに紗鬼は少しキレた。
「…いい加減にしねぇとこの国を滅ぼすぞ?」
紗鬼から溢れる強烈な威圧感。
「っ…!?」
ザッ…。
ヴェイン達は知らずしらずの内に地面に膝を着き、息をすることさえ忘れたかのように紗鬼から視線を外すことが出来ない。
「…言っとくぞ?俺からしたらお前等はその変にいる虫と同じちっぽけな存在だ。…今は殺さないで置いただけだが次俺の機嫌を損ねると……国の人間も皆殺しにするぞ?」
そう言って紗鬼は威圧感を放つのを止める。
「っーー!!はっ!!はっ!!」
ヴェインは胸を抑え、息を整えている。…それは他の騎士達も同じだった。
「…ヴェイン?それに皆もどうしたんですか?」
「…んー?お手洗いに行きたいんじゃねーのー?」
紗鬼は適当に言う。
「…くっ…。」
ヴェインはアリシアと話している紗鬼が悪魔にしか見えない。…だが、言葉を出さない。…先程の一瞬で紗鬼の底知れぬ力を感じたからである。…だが、何故かヴェインが纏う紗鬼に対する雰囲気が変わった。
「…先に中に入っとくぜ?」
「何…を言っ…。」
ヴェインが紗鬼を見れば、只の跳躍で紗鬼が城門を飛び越える光景である。
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