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「……こんなものかな」
独り言を落として、鏡の前で息を吐いた。
右から左から、見え方をチェックする。
崩れそうな髪をスプレーで軽く固めて、ほつれてこないようにと気を配った。
最後に和佳奈と宏美にもらったボディミストを、お守り代わりにシュッと吹く。
ふわっと立ち上る柔らかな香りが、自然と笑顔にしてくれた。
出勤前に、心がほぐれるっていいな。
二人に感謝しなきゃ。
私は改めて親友たちの有り難さを噛みしめ、一人暮らしのマンションの部屋を出た。
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