《2》

2/19
4342人が本棚に入れています
本棚に追加
/434ページ
  「……こんなものかな」 独り言を落として、鏡の前で息を吐いた。 右から左から、見え方をチェックする。 崩れそうな髪をスプレーで軽く固めて、ほつれてこないようにと気を配った。 最後に和佳奈と宏美にもらったボディミストを、お守り代わりにシュッと吹く。 ふわっと立ち上る柔らかな香りが、自然と笑顔にしてくれた。 出勤前に、心がほぐれるっていいな。 二人に感謝しなきゃ。 私は改めて親友たちの有り難さを噛みしめ、一人暮らしのマンションの部屋を出た。 .
/434ページ

最初のコメントを投稿しよう!