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「お二人が旧知の仲でしたら話は早いですね。僕としては、このパンフレットは並河先生にお任せしたいと思っているんですよ」
そう切り出したのは山口さんだ。
ぎくりとしながらも、彼らの様子を窺う。
「いや、広告に関して僕は素人ですよ」
「大丈夫です。そのために廣田さんがいらっしゃるので。ねえ?」
「は、はい。もちろんです」
受け答えをしながらも、私はどうしようもないほど緊張していた。
並河先生がそこにいる。
それだけで、顔がかあっと熱くなってしまう気がした。
過去の輝きとして沈めていた感情が、現在にまで引き戻されてしまうみたいだ。
それが、すごく、怖い。
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