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インタビューとは呼べない質疑応答を軽く繰り返し、一息ついた頃。
先生は逆に、質問を投げてきた。
「廣田はどうして、今の仕事に?」
「興味があったので、応募してみたんです。昔から、文章を書くのは好きだったので」
「ふうん、知らなかったな」
そうでしょうね。私のことなんて、眼中になかったでしょうから。
飲み込んだ言葉は随分ひねくれている。
こんな恨みっぽいこと、並河先生にだけは絶対に言えない。
「専門の知識もないですし、無理だろうなと思ってたんですけど……なぜか受かってしまって」
「へえ。それは興味深いな」
頷いた先生に、私は頭を振った。
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