《3》

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  「単純に、タイミングが良かったそうです。後から聞きました」 「それでもそのタイミングにめぐり逢えたのは廣田だからだろう? 面接官は他の人とは違う何かを、廣田の中に見つけたんだな」 自分で出した応えに納得したように、並河先生は微笑んだ。 そんな風に言われてしまうと、どんな顔をしていいかわからない。 褒められ慣れていない性分だからだろうか。 他の人とは違う何か。 そんなものがあるのなら、先生に見つけて欲しかった。 なんて、今更過ぎる。 いたたまれなくなって、私は荷物を片し始めた。 鞄の中にすべてを収めて、立ち上がる。 .
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