《3》

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  「本日はありがとうございました。今後とも、よろしくお願いいたします」 「ははっ、こちらこそ」 また笑った先生は、先にドアに進んでそれを開いてくれた。 有り難く頭を下げて、退出する。 「楽しみにしてるよ、廣田の文章」 「……レポートとは、違いますから」 苦い顔をした私に、並河先生は何がそんなにおかしいのか、くすくす笑った。 「そりゃそうだ。じゃ、また」 「はい、失礼します」 もう一度深く頭を下げて、その場を離れた。 振り返らない。 先生がそこで見送ってくれているかどうかなんて、絶対確認しない。 胸の中で繰り返し、そんな馬鹿みたいなことを言い聞かせていた。 .
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