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「誕生日、おめでとー！」
「おめでとう！」
「ありがとう」
テンション高く、拍手をくれたのは和佳奈（わかな）。
隣で柔らかく微笑んでいるのは宏美（ひろみ）。
どちらも、高校時代からずっと一緒にいる親友だ。
私は目の前に運ばれてきたプレートの、細いろうそくに灯った火を吹き消した。
数種の小さなケーキとバニラアイス、生クリームやフルーツが飾られたデザートプレートに踊る“Happy Birthday IORI”の文字に、頬が緩む。
火が消えたと同時、また大きな拍手に包まれる。
はにかむ私に、和佳奈と宏美が人気ブランドの紙袋を差し出した。
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