《1》

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  「はい、伊織(いおり)! プレゼント!」 「気に入ってくれたら嬉しいな」 「ありがとう、二人とも」 感激しながらそれを受け取り、「開けていい?」と尋ねる。 「もちろん!」と得意気に頷いた和佳奈の許可を得て、私は綺麗にラッピングされた箱を取り出した。 ほどいてしまうのがもったいない、そう思いながらもゆっくりとリボンをほどく。 この瞬間は、いくつになってもワクワクするものだ。 そう重くない箱を開くと、ふわっといい香りが鼻に届いた。 「わあ……」 思わず声を漏らした私に、和佳奈が満足そうに笑う。 .
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