《1》

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  「そう? けっこうわかりやすいと思うけど」 「うっそお、宏美ってばエスパー? 高校時代から口数少なくて、クールビューティーだとか言われ続けてたのよ? この子」 「そりゃ、和佳奈と比べたら誰だってそうなるわよ」 「え、今ちょっと私のことバカにした?」 「まさか。それが和佳奈のいいところでしょ」 私は二人の掛け合いを、くすくす笑いながら見つめる。 変わらない。和佳奈も宏美も。高校時代からずっと。 そしてたぶん、私も。 年を重ねても、ずっとこうしていられる親友たちがいる。 その事実はこんなにも、心を温かくしてくれる。 .
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