《5》

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  「……まだ、仕事が残ってるので……」 微かに震えた声で絞り出した答えは、それだった。 私は今どんな顔をしているだろう。 ちゃんと、笑えているんだろうか。 本当は、一も二もなく頷いて『行きます!』と言いたい衝動にかられていた。 それでも頭の中にこびりついたように『駄目だろ、当たり前だ』という言葉が離れなかった。 指輪がなくなったから? だからいい、問題ない、……なんて、ありえない。 .
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