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――時を遡ること、五年前。
「これで全額」
「確かに。ありがとな」
ばつが悪そうに微笑む柾木をふて腐れ気味に見つめる加賀宮は、肌寒い一月でも汗をかいている首をぼりぼりと掻いた。
「万年金欠病のおれだって、友達に餞別くらいは用意するさ」
「餞べ……」
柾木の整った精悍な顔に、苦笑が滲む。
「一応、おれから借りてた金だよな?」
細かいことは気にすんなとぼやき、加賀宮は突然仕事を辞めた柾木に疑問をぶつけた。
「何だってさ、サンタになろうと思ったんだよ。これからも姫何とかレンジャーやってれば」
答えはすぐ、穏やかに返ってきた。
「……レンジャーより、ちょっとは夢があるかなって」
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