家族②

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 ――… 「今日もまた凄い泳ぎだったねー。久しぶりだったから溜まってた?」  くすくすと笑いながら俺に缶ジュースを差し出してきたのは唐木だ。 「1週間もお預けくらってたら、そりゃ溜まるだろ」  サンキュ、とジュースを受け取り、 更衣室を出た。 「これ、いつの間に買って来たんだ?」 「あー違う違う。差し入れだよ」 「…差し入れ?」 「相見目当ての子からね~。僕もついでにって貰っちゃった」 (ついでって…、自分で言ってて嫌にならないのか?コイツは)  唐木を横目に、 誰からかも分からない差し入れだが、 丁度喉が渇いていたから有り難く飲むことにした。 「宮下って子じゃないよな?」 「違う違う。一年生の子だよ。相変わらずモテますなぁ、相見殿は」 「その喋り方止めろ」
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