第二章

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眼下に拡がる光景は、思ったよりも被害は少なく、今まさに子供を口に運ぼうとするオーガの姿が目に写る。 常時携帯している空飛ぶ絨毯に着地し、オーガに跳ぶ、白狼で肩を撃ち、聖剣を振り下ろした。 真っ二つに割れたオーガから、子供を救い出すと、親だろう手を差し出す村人の所まで後退する。 「ありがとうございます」 「…村で一番広い場所へ集まって下さい」 「はい」 返事を聞いて、一番近いトロルへ剣を薙ぎ払う。切断された足が、力を無くし、トロルがひっくり返る。 そんな所に、シバ、リアナ、ゲイル、マリカが絨毯に飛び乗り、戦場へ降り立つ。 「平行に並べ、村人達に近付けさせるな」 「「おぅ!」」 「「分かった!」」 対峙してしまい、攻撃に転じ難い。 遅れて登場した。後方部隊の三人は、絨毯の上で詠唱を開始している。 「エナ。村人の警護を頼む。広場に避難させて、保護を頼む」 返事の代わりに、エレサが魔法を放つ。風の刃が、真下のトロルを襲う。 突然の事に慌てるトロルへと、斬り込む四人。 「…分かったわ」 彼女の返事を聞いてから、トロルを斬り刻む。 「皆さん。広い場所へ集まって下さい。私達が援護します」 空から、地上に降りたのはエナとエレサ。
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