第二章

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村人の救出はするべきではないという事だ。 自分という戦士を保つ為に、他人の命には盲目的で居なくてはならない。 そうしなければ、より多くの人を失う弱さに繋がる。 「そうですね。……ホントに…」 熱くなる目頭を押さえ、任務成功を報告する。 「2年オーディ組シバ班。トロルの群れ。殲滅完了しました」 ……………泣きながら帰るなど、はた迷惑でしか無いので、学生寮の部屋の前まで転移して来た。 部屋で着替えようかと、足を伸ばせばエナの部屋に連れ込まれる。 期待する様なイベントは発生する訳が無く。彼女に胸を貸している。 泣き続ける彼女の頭を撫でる事、数分。いい加減に、見てるのが辛い。 「エナ。ごめんな。思い出させて……」 「…違うの……分かってる………リュースケ君が正しい……自分が…嫌なの……私…迷った……あの子の…家族が死んでて…あの子だけ…助けて………」 「エナ。言わなくていいよ。俺も思った。あの子が辛い思いするなら、家族と一緒に…」 「……うん…」 「でもね。……俺とエナみたいに、また家族が出来るかもしれないよ」 「……うん…」 「ほら、涙を拭いて、お風呂に行こう。血でベタベタだ…」
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