第二章

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一応、救出成功だと思う。 やれやれと、時間に従い食堂を目指す。 ちょうど『学生の皆さん。食事の準備が出来ました。妖精さんを泣かせる前に、食堂へ急ぎましょう』なんて放送が響く。 なんて巫山戯た放送だろう。 とんだ妖精贔屓な放送に、放送した女性教員を思う。 2年でも担任になったリザーナ先生。 相変わらず生徒からの人気はあるが、たまに怖い。表面的には普通なのだが、眉が怒りに揺れている時が多々ある。 言い換えれば、嘘が下手な大人の女性だ。若くて綺麗なのだが、男と縁遠い。 職場恋愛とは無縁で。 近い年の男は、学生ばかり、疲れた心を癒してくれるのは、学園に住む妖精だという日照り続きの毎日らしい。 ……………なので、お節介に王宮で口を滑らせる。翌日の事です。 「今日はリザーナ先生っていう綺麗な先生に資料を頼まれたので…」 門番、衛兵、司書の方々…意外に有名らしく、話し込むと 「あの人。独身なの!?」 皆さん、驚く。 「今、彼氏も居ないみたいですよ」 と、トドメを刺して、兵士の士気を高めて帰った。 ☆★☆★☆ 王宮で噂を流してから、10日が経った朝のホームルーム。 いつもより、服もメイクも気合いの入ったリザーナ先生が居た。
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