第二章

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分かり易い。 今日はデートだろう。 尾行してやろうか。 そんな事を考えていると、隣のエナが袖を引っ張り、囁く。 「今日の先生。いつもより綺麗ね……」 「デートかな?」 「デート!?」 驚く事か? 声を上げてしまったエナに集まる視線。その視線が、リザーナに向かう。 嘘であってくれと、一人の男子生徒が勇者になる。 「先生。まさか、デートですか?」 男子生徒の質問に、顔を赤らめるリザーナ。はにかんだ表情に、男子生徒が撃沈する。 「デートって訳じゃないのよ。ただ食事するだけだから……」 子供か? 何故に、初デートみたいな、照れ方なの? 男子生徒達が、余計熱を上げている。 「リュースケ君。私もデートしたい」 横で囁く可愛い彼女の頼みだ。 「分かった。尾行だね…」 「えっ!?」 「あれっ、違った?」 「……………………する」 他のメンバーも机の上で、親指を立てた。 アホ共め…… ……………放課後になり、悪趣味な8人は、隠密魔法まで使い、リザーナの後を尾けた。 隠密魔法で姿は透明になっているのに、何故か物陰に隠れてしまう。 これは人の性だろう。 「おい。あの人じゃないか?」 「あっ、司書の人だ」 「司書なら、安定職ね」
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