第二章

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男子生徒が涙を堪えて、授業を受ける不思議な風景も、だ。 先生を諦めた男子達が、クラスの女子にようやく目を向け、恋人が増えた今日この頃である。 夏休みが目前に迫り、マッシュさんへの贈り物も完成した。 研究成果は上場なのだが、国王陛下に宣言した停止の魔法陣は完成していない。 原因は、生産と並行して行なっているからだ。 授業後の時間で、捗る筈も無く。 研究の停滞に、二人である決断をしていた。 「ずっと考えていた。研究所が出来たのに、それを使わないなんて勿体無い。工場に人を雇うべきだ」 「うん。賛成だ。僕も思っていた」 「国王陛下に書状は送った。王宮の研究者を派遣して来るのか。民間の募集をするかはわからないけど、何か対処はして下さると思う」 ……………予感はしてたんだ。 うん。 やっぱり、呼ばれた。 しかも、今回は二人で……… 「良く来た二人共。元気そうでなにより……」 「ハッ!先日は王宮に匿って下さり、お礼の言葉もありません」 ライラックが、そうだったのかと、龍介を見る。 「よいよい。優秀な研究者なら、是非でも守るもの。狭い部屋で不便をかけた」 「お心遣い。痛み入ります」
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