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「さて、足を運んで貰ったのは、人を雇う事に関してだが…」
「ハッ!」
どんな話しになるんだろうか。
少し、緊張する。
「好きに雇うが良い。助力が必要なら、研究室の者に頼みに行くがいい」
「ハッ」
ホッとしたのも束の間、国王が退屈そうに、玉座の肘掛けに肘を付き、ため息を吐いて龍介を見る。
「リュースケ。今日は上手く返すな。……つまらんぞ」
「えぇ~…なんですか。それっ……頑張ったんですよ」
「それだ!」
何が?
「そういう、からかい甲斐のあるままでいてほしいね」
「…なんででしょうか?」
「面白いからだ…」
何を自信満々に…
「………努力します」
「ふん…王の前で拗ねるとは、見込みがある」
爽やかに笑って口にする辺り、確信犯だ。
「どんな見込みですか?」
「今度は怒ったか?」
「………大臣殿~」
助けを求めた。やれやれと大臣が、国王陛下を諌める。
「陛下。そろそろ勘弁して上げて下さい」
「……仕方ないな……次からは、最初からその調子で頼むぞ」
「…………はい…」
一応、満足いただけた様で、ライラックに顔を向ける。
「ライラック。研究は順調か?」
「いえ。思う様に時間が取れず、進んでおりません」
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