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「それも、仕方あるまい。学生の間は焦る必要もない。気長に続けよ」
対応が違うよ。
ライラックには、優しいですね。
龍介のムッとした顔を、国王が面白そうに鼻で笑った。
「勿体無いお言葉、ありがとうございます…」
ライラックが、龍介を見つめ、状況を知らせようと必死だ。
国王を睨んでいる。
「リュースケ。今、睨んでいるのは私か?」
「へっ……すいません…」
「……ライラックに優しくして、妬いたか?」
「……妬くって…そんな訳ないでしょ…」
「悪いが、私にその気はない」
「話しを、聞いて下さい……」
「なんだ。ここで告白されても困るんだが…」
「もう~………」
「ハッハッハ…今日は楽しめた。では、また来なさい」
嫌……
一体、何が面白いのかわからないまま、龍介は思った。
きっと、疲れてるんだ……
そう思う事で、よく分からない会話の意味を受け止めた。
………………謁見の間から、研究室へと来た二人は、中の異様な雰囲気に絶句した。
何日寝てないのか心配になる様な酷いクマの研究者達が、それぞれ作業を続けている。
「マジか……」
「俺、研究所で研究する」
「う、うん……」
中に入る勇気はないが、すでにドアを開け、注目を浴びてしまっている。
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