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「……初心者なら、安い所は止めときな…。嫌な勉強する事になるぞ」
安い値段よりも、価値の低い悪質な製品が返ってくると……
「オススメって、聞いていいですか?」
「……そんな不公平な事出来ると思うか?」
「じゃあ……今、手が空いてる方は?」
「……グラムの旦那は空いてるんじゃねーか…」
つまり、オススメだ。
「っで、学生さんが何を作るんだ?」
「いろいろですよ」
「…いろいろ、ね。まぁ、交渉はどうする?」
交渉までするのか。面倒臭い。
「行きます…」
「こっから、学園に向かって広場を左だ…」
知ってた。
ルミオール鉱石を精錬して貰った鍛冶屋だった。
……………町の中心部で鍛冶屋を営んでいる人は少ない。
当然、火を使う仕事だからだが、グラム氏は顔は怖いが、人当たりは良い。
職人気質で、人情に厚い。
そんな男なので、学生だった龍介がルミオール鉱石を精錬して貰った後、代金を払う前に『兄ちゃん。こづかい大丈夫か?』なんて聞いてくる心優しい人だった。
それから、ずっと鍛冶屋はグラムである。
「おじさん。こんにちは~」
「おう。兄ちゃん。今日はなんで~?」
「また、仕事を頼みたいんだ」
「贔屓にして貰って悪いね~」
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