第二章

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「まったく…」 外にいましたからね。と、思ったら、違った。 「あれっ、用事済んでないの?」 「あぁ、そっちは一通り終わったよ。宿題の方は、まったく…」 「なんだ。……宿題なら先生が教えてあげますよ」 胸を叩くが、最近音がしない。 育ってるな~…と、露天風呂での膨らみを思い出す。 「じゃあ、教えてもらおうかな」 「うん。今日のノートも見せてあげる」 「そうか。それがあった…」 「頑張って…」 「うん…」 ……………自室に戻り、宿題を始める。夏休み目前だからといって、復習問題なのは一般教養の部分だけで、魔法関係は常に最新だ。 優しいエナ先生に教わりながら、宿題を終わらすと、彼女が尋ねてくる。 「リュースケ君。夏休みは遊べそう?」 「学生の下で働いてもいいっていう変わり者が見つかれば…かな。夏休み前に従業員が来てくれないかな…」 「ホントだね…遊ぶ時間なくなっちゃうもん」 それは意地でも作る。 小さな決意を持って、二度目の夏休みを迎えた。
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