第二章

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夏休みに入り、自宅で10日ほど過ごした。 理由は、意外な事に人が集まり、予定していた人数に絞り込む為の面接が必要になった事と、組み立て作業を教える為だった。 特別難しい作業ではないので、後を任せ、龍介とエナは、ライラックとエレサと共に『 海の家 マッシュ 』へと遊びに来た。 転移した『 海の家 マッシュ』は、昨年の上を行く大音量の音楽を響かせ、辺り一面をダンスホールへと変えている。 辺りに民家は無いが、あれば確実に近隣から、音を絞れと文句を言われそうな騒々しさも、開放的な砂浜では人を楽しませる魅惑の調べである。 そんな『 海の家 マッシュ』ゆえ、入る気も並ぶ気も起こらない。 入れば、大量にサービスしてくれるだろうが、忙しい店内に入って、のんびり話も出来ないのは目に見えて分かる。 と、いう事で、閉店後に行く事にし、客の少なそうな二つ隣の海の家に入る。 「……いらっしゃい!」 店内はガラガラ。 暇そうに煙草を吸っていた店主が、驚いた顔で二人を見つめる。 客が来た事に驚くなんて、どんな店だと思いながら 「オススメなんですか?」 「ウチはシーフード焼きだ」 『 海の家 マッシュ』とは違い、貝やら海老やら、魚が水槽を泳いでいる。
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