第二章

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「リュースケ。ちょっと、いいか?」 「うん。どうした?」 なんだか深刻そうな顔をしている。 「実は、昨日変な客が来て…」 「変な客?」 「この暑い中で、黒いローブを来た変わり者が、お前がいるかって聞いて来た…」 そんな変な知り合いは心当たりがない。 「他に特徴は?」 「顔を隠してたけど、声は幼かったぞ…」 「黒いローブで、幼い声……」 「心当たりあるか?」 ある。 死神ちゃんだ。 でも、なんで人の世に出て来た。 「いいや。ない」 「そうか。学園襲った連中の仲間かもしれないぞ。気を付けろよ」 言われて、そっちも合ったと気が付く。 「……それで、エナをか…。悪いな…」 「そんな事はいいんだよ。それより、気を付けろよ。なんかあったら言えよ」 「あぁ、頼りにしてるよ。ありがとな」 心配掛けてるなと、親友に感謝を伝える。 「出来たよ~…」 「飯だ~!」 場の空気を悟らせない様に、シバがいつもの調子ではしゃぎ出す。 「去年とは、みんな大違い。私達もヘトヘトだったもんね…」 机に突っ伏す一年生を見て、エナがクスリと笑う。 そんな、和やかな雰囲気でも、ぶち壊すのがこの男だ。 「美味い!!!さすが、リアナだ!!!なぁ、なぁ、食べ終わったら何する。なぁ?」
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