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「…ミサイルとか、良く知ってたな?」
「思い付いたのよ。魔法を圧縮出来るなら、爆弾みたいに天界ごと吹き飛ばしちゃえって。…天界は壊せたけど、女神が人間界に逃げちゃって、正直行方が分からないのよ……」
「俺に探せってか?」
そんな探偵みたいなスキルを、龍介は持っていない。それを理解している死神ちゃんは、素っ気なく告げる。
「……たぶん、無理でしょ」
「…うん。顔も知らねーもん」
「恐らく顔も変えているから、私達神族にしか分からないと思うわ」
でも、死神ちゃんも行方を見失っているらしい。
相手がどんな力を持ちながら、人間界を彷徨っているのか不安である。
「って、なると…」
「向こうが私を殺しに来るのを待つわ」
「はぁ!?」
逃げた相手が、わざわざ死神ちゃんに報復を考えるのだろうか?
部下に裏切られ、落ち込んでいるんじゃなかろうかと、龍介はそんな甘い考えを浮かべた。
「あの女神が、逆らった私を放っておく筈が無いわ。何より、私が星の命を盗んだんだから、絶対取り返しに来る筈よ」
「星の命って…名前の通りに、星の命なの?」
「そうよ。如何に女神でも、これが無いと天界を再生出来ないって訳」
聞いていて思う。
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