あんたは、敵?

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イクトは大分落ち着いて来たのか 震えも止まっていました。 珍しい、ですかね。イクトが私以外に 嫌悪感を表さないのは。 「もうすぐ着きますよ。」 無言状態が続いた時、原井が言いました。 見慣れた景色と見慣れたマンションの前で 車は停車しました。 降りようとした時、再び車が動き出したました… 気を使ってか、原井は地下駐車場に車を回してくれたようです。 私とイクトは、地下駐車場で降ろして頂きました。 『忙しい中、ありがとうございます。 今日は、助かりました。』 車から出てきた原井に私はお辞儀をしました。 「全然!大丈夫ですよ。 また何かあればいつでも連絡して下さい。」 お互いお辞儀をして別れました。 私とイクトは非常階段に向かいます。 「龍月があの人呼んだ理由、わかったかも。」 『はい?』 向かう最中にイクトが言ってきて 聞き返したのですが、くすくす笑うだけで答えてくれませんでした。
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