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イクトの背中を流すと
半ば強引に私を座らせ、イクトが洗い始めます。
『?スポンジを使わないのですか?』
「うん。」
…何故?
『っん…イクト、少し、くすぐったいですよ?
それにボディーソープを直に塗ったら冷たいです。』
イクトは、冷たいボディーソープをそのまま背中に掛けてきました。
「そう?ごめんね。ちゃんとあっためとく。」
クチャ…ピチャ…と
ボディーソープをイクトが泡立てる音が聴こえます。
あの、背中にかけたボディーソープはどうしてくれるんですかね?
ゆっくり、背を伝っていって、ゾクゾクするのですが…。
パチゃ
今度は生暖かいボディーソープと、イクトの手が触れます。
……変に艶かしい手付きの様な気がするのですが…
「何処して欲しい?」
『はい?』
「だから、何処洗って欲しいの?」
『ふむ…背中だけで大丈夫ですよ。
前は自分で洗いますので。』
背中を撫でる様に洗うイクト。
ん?
何故、鎖骨に…
『い、イクト?』
「んー?」
『あの、前は…』
「前は?」
『自分で洗いますよ?』
「なんで?」
『何でって…言われましても。』
普段は聞き分けの良いイクトなのですが…。
こんなに言及してきますか?
「ん〜?」
『わからないふりしてませんか?』
「してないよ?
教えて?何で嫌なの?」
腰に左手を回し、右手は私の頬を撫でるイクト。
『裸で…抱き着かないで下さい。』
熱を持ち、ボディーソープのせいでヌルヌルして…クチャクチャと…淫らな音が聴こえて
気分がおかしくなりそうです。
甘ったるく妖しいイクトの声と吐息が私の耳にかかり
私は顔を背けました。
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