あんたは、敵?

13/29
前へ
/393ページ
次へ
「龍月…こっち見て?」 顔を背ける私の耳をイクトは甘噛みしました。 『んっ…こ、こら、イクト…やめなさい。』 肩に乗せられたイクトの顎…もう一度イクトが耳を甘噛みしたので 振り向きました。 真正面にあるイクトの綺麗な顔。 「ふふっ。やっぱり顔真っ赤。」 悪戯っ子の様に笑う無邪気な笑顔。 『大人を…からかうものではありませんよ?』 私が少し不機嫌になると イクトは、シャワーで泡を流しました。 「湯船温かくなったかな?」 『もう、入れますよ。』 湯気が立ち上る浴槽にイクトが浸かりました。 「ほら、龍月も来て?」 可憐に首を傾げるイクト。 はぁ。 私も湯船に入りました。 向かい合わせに座るとやはり狭いですね。 「…俺の上に座んないの?」 『貴方の上だと何されるかわかりませんからね。』 「え〜。」 『風邪引かない内にさっさと出ますよ。』 「風邪引かないようによく温まるんじゃないの?」 『浸かりすぎもよくありません。のぼせます。』
/393ページ

最初のコメントを投稿しよう!

69人が本棚に入れています
本棚に追加