69人が本棚に入れています
本棚に追加
ふぅ。イクトの裸は見慣れたと思っていましたが…
まだまだ魅力が宿っています。
何故でしょうか…震え、私に抱きつく彼が…とても愛おしくて仕方ないんです。
直視し出来なくて
彼の背中や太腿に視線がいってしまい、気付いてしまいました。
白く濁った液体が付着している事に。
私は見なかった事にしました。
どうして付着しているのか想像しただけで、吐き気がします。
…更に視線をずらすと痛々しく赤く血の滲む手首が目につきました。
…ぁあ、こんなにも痛々しい。
誤魔化すようにイクトの滑らかで
心地好い髪を
梳かすように撫でました。
そして
彼を抱き締めます。
もう、離しはしません。
という、意味を込めて。
シルクのように滑らかな背中を摩り
彼の震えが止まるのを願い
『大丈夫ですよ。』
と
言いました。
わずかに首を横に振るイクト。
「おれ…汚れてるんだ…ずっと前から…汚くて…」
途切れ途切れで辛そうな声。
イクトは、私の腕の中で震えて居ました。
誤魔化した気持ちを
思い出させないで下さい。
考えたくありません。
認めたくありません。
許せなくなりそうで。
『イクトは、穢れてなどいません。
とても綺麗です。
真っ白な無垢のように。』
最初のコメントを投稿しよう!