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『「ハァハァハァハァ」』
龍月とイクトの荒い呼吸が細い路地から聞こえる。
龍月の上着を纏い、全裸を免れているイクトだが
路地に入るまでの間、鋭い視線を浴びていた。
あの後、龍月は御船を押し退け
イクトを連れてここまで逃げてきた。
イクトの震えは、龍月のした行動により
唖然として止まり、それが逃げきれた理由かもしれない。
『車は…あのマンションの駐車場なんです。
イクト、平気でっ』
イクトは急に龍月に抱き着いた。
『イクト?』
「もぅ…帰りたい…」
震えた声で言うイクト。
『そうですね、帰りましょうか。』
「うん。」
とは、言ったものの、どうしましょうか。
いくら全裸を免れているとはいえ、彼はただでさえ目立ちます。
…あ、携帯。
ポケットに忍ばせた携帯を取り出し
彼に連絡しました。
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