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「あの、大丈夫ですか?」
原井の車内にて、訊かれました。
連絡した相手は同僚の原井です。
何故か助手席には、板野もいましたが。
『一応は。』
恐らく、ほぼ全裸で少し震えるイクトの事を言ったのでしょう。
私とイクトは、後部座席に座っています。
バックミラーでチラチラ確認する板野。
「どうするんすか?これから。」
『そうですね、取り敢えずは家に帰ります。』
事情は少しだけ説明しました。
御船専務がイクトを監禁していたため
連れ出した
と。
「いや、警察には行かないんスか?」
『はい。』
私の返答に驚く二人。
警察に行けば必要以上にイクトが傷付きます…
それに脱走した事もバレてしまうでしょう。
入院させたのは恐らく御船でしょう。
退院するにしても御船のサインが必要になりますし、退院の許可が降りるかどうかも不明です。
御船自身が警察へ行く事はないでしょう。
イクトを拉致監禁していたのは
病院に戻したくないから
もしくは、退院の手続きが上手く行かなかったともとれますね。
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