あんたは、敵?

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『冗談ですよ』 「「よかった…」」 半分は本気でしたが、二人は露骨に安堵した表情を見せました。 『助手席に座っているのは 後輩の板野 勝哉さんです。』 私の言葉にイクトは、助手席を見る。 「よろしくっす!」 バックミラーでニコッと笑う板野が見えました。 「……」 ビクッと身体を震わせたかと思ったら俯いてしまうイクト。 こーゆータイプは初めてだったのでしょうか? 「?」 『イクトにとって、貴方は初めてみるタイプだったようです。』 怪訝そうな顔をしていたので説明しておきました。 『運転席に座っている人には 見覚えあるでしょう?イクト。』 イクトは、原井の顔を覗くように視線を移動させました。 イクトは頷きます。 「お、覚えててくれたのか?」 原井は嬉しそうに言います。 「突き飛ばしてごめん。」 落ち込んだ様子のイクトの声。 「ははは…気にしなくていいよ…俺がやわかっただけだし…」 落胆しているのか、最後の方は何を言ってるのか 分からない程小さな声でした。 『彼は同僚の原井 誠さん。 家に打ち合わせに来た事もありますよ。』 「知ってる…怖かった。」 「え?俺が?」 驚きを隠せない様子の原井。 原井の言葉に頷くイクト。
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