事の始まり 壱

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ここはジャポンの北陸、オオモリの地 「……ハァ……ハァ……」 紅い着物を着崩し、身の丈に迫ろうかと言う程の大太刀を杖のように使い ヘロヘロと道を歩くボサボサ頭の男が一人。 名をセマ・イノスケと言う。 「……ハァ……北陸の地は…寒いんじゃないのかぁ…?…ハァ……ハァ……」 恨めしそうに頭上で熱をばらまく太陽を睨むイノスケ。 腰にさげた水筒を逆さに振るが何も出てこない。 「……ハァ……ハァ……酒が…足りねぇ…」
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