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静かだった。
会社から歩いて十分程の小さな公園には、子供はおろか、人影一つない。
ブランコと、変わった形をしたジャングルジム以外、ここにあるのはペンキの剥がれたベンチだけだった。
私はそれに腰かけ、空を見上げている。
嵐でも来るのか、とうに日が暮れた空は、不気味な色彩をしていた。
あれはなんという色なのだろう。
赤黒いような光を放つその名を、私は知らなかった。
悪魔の色だと言われれば、
それほどしっくりくるものはない。
横の細い路地は、比較的交通量が少ない。
駅とは反対方面なので、会社の人が通ることもほとんどなかった。
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