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気が付けばもう太陽も沈み、満天の星が夜空いっぱいに輝いていた。
この小さな船でできる事といえば、景色を眺めたり歌を歌うくらいだった。
「はぁ……。」
自然とこぼれた溜息に、もう一人だけいるクルーが体を擦りつけてくる。
この小さな船に乗っているのは、私と黒猫のクロだけで、夜はいつも一緒に体を寄せ合って寒さを和らげていた。
もちろん、クロの小さな体では体全体が温まる事はなかったが、クロを抱いて寝ると嫌な事も忘れてぐっすり寝れたのだ。
私が口笛を吹くと、クロが私の胸に飛び込んでくる。
今日もまた、クロと一緒に星を眺めながらあの歌を歌うのだ。
「風が今日も私に触れる。」
「にゃにゃにゃーにゃにゃ。」
「波の声が心を揺らす。」
「にゃにゃにゃーにゃにゃ……。」
こうして今日も一日が終わる、明日は島に着くのかな・・・・・・。
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