第一章~私とクロ

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……私はずっと一人ぼっち、親もいなければ兄妹もいない。 生きる為に私は村へいって食料を盗んで、小さな小屋に持ち替える。 本当はいけない事だとわかっていても、私は毎日のように村へと向った。 村へ着くと、家の角に身を隠しながら、食材売り場を見る。 お客さんがお金を払っている時に、気付かれないように一気に……。 狙いはあのお魚さん。 もう少し、もう少し、もう少し、今だ! 「えいっ!」 ……。 ……僕はずっと一人ぼっち、親もいなければ兄妹もいない。 お腹が空けば村へ行き、食料を盗んでは山の中でお腹を満たす。 別にそれは当たり前の事で、今日も僕は村へと向かうのだった。 村へ着くと僕は人目も気にせず、食材売り場へ向かう。 僕みたいな猫からすれば人から逃げるくらい朝飯前さ……。 今日はあれにしよう。 僕は音を立てないように素早く目標へ走る。 シュッ! その時だった、僕の前方から少女がこちらへ走ってくる。 僕は反射的に木の影に隠れるとしばらく様子を伺う事にした。 少女は僕が狙っていた魚を掴むと元来た方向へ走り出す。 「こらっ!、誰かあの小娘を使えまえてくれ、泥棒だ!。」 あんなに音を立てては当然気づかれてしまう。 少女は必死に逃げるが、あの体格の差ではおそらく捕まってしまうだろう……。 まぁ僕には関係のない事さ、あの魚は取られてしまったけど、僕は別の魚を銜え山へと帰るのだった。
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