1人が本棚に入れています
本棚に追加
……私はずっと一人ぼっち、親もいなければ兄妹もいない。
生きる為に私は村へいって食料を盗んで、小さな小屋に持ち替える。
本当はいけない事だとわかっていても、私は毎日のように村へと向った。
村へ着くと、家の角に身を隠しながら、食材売り場を見る。
お客さんがお金を払っている時に、気付かれないように一気に……。
狙いはあのお魚さん。
もう少し、もう少し、もう少し、今だ!
「えいっ!」
……。
……僕はずっと一人ぼっち、親もいなければ兄妹もいない。
お腹が空けば村へ行き、食料を盗んでは山の中でお腹を満たす。
別にそれは当たり前の事で、今日も僕は村へと向かうのだった。
村へ着くと僕は人目も気にせず、食材売り場へ向かう。
僕みたいな猫からすれば人から逃げるくらい朝飯前さ……。
今日はあれにしよう。
僕は音を立てないように素早く目標へ走る。
シュッ!
その時だった、僕の前方から少女がこちらへ走ってくる。
僕は反射的に木の影に隠れるとしばらく様子を伺う事にした。
少女は僕が狙っていた魚を掴むと元来た方向へ走り出す。
「こらっ!、誰かあの小娘を使えまえてくれ、泥棒だ!。」
あんなに音を立てては当然気づかれてしまう。
少女は必死に逃げるが、あの体格の差ではおそらく捕まってしまうだろう……。
まぁ僕には関係のない事さ、あの魚は取られてしまったけど、僕は別の魚を銜え山へと帰るのだった。
最初のコメントを投稿しよう!