がんばりますか

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 「もう、朝か」  枕元でうるさくアラームを鳴らしているスマートフォンを止めて時間を確認するとまだ時間には余裕があるが事前に設定してある目覚ましの時間を変更するのを忘れていた自分に少しだけ自己嫌悪していた。  「まさか、これを買うなんて思いもしなかったな」  呟きつつも机の上には昨日の帰りに買った未開封のVRMMOのゲームであるALOが置いてあった。  「学校が終わってからじっくりやろうかな?」  昨日の夜にコンバートしようか迷っていたがレアなアイテムなどが勿体ないと思いコンバートせずに新たなアカウントを作ってプレイしようと思いいたった。  「時間的にも余裕があるけどさっさと行きますか」  「やっぱり今更だけど恥ずかしいな・・・」  そう・・・自分は、待ち合わせしているだろう教師よりも来すぎて登校している生徒を眺めると言う罰ゲーム的な事をしているのだ。    (さっきから通る度に‘こんな生徒居たっけ’なんて顔して通らないでくれ~)  「里香さん、校門の所にいた人見ましたか?」  「珪子もやっぱり見た?」  「はい!でもあんな“綺麗な”人いましたっけ?」  「初めて見る顔よね~・・・あれぐらい“綺麗”だと噂の一つでもあっても良いくらいよね~」  「そうですよね~・・・・でも何で」  「「“女子”が“男子”の制服きてるんですかね~」」  「先生がこの辺りに来てるって話しだけど分かる?キリト君?」  「校門に行けば直ぐ分かるって聞いてたけど・・・・あの、人じゃないか?明日奈?」  キリトが指を指したのは、腰まである黒い髪でどこか上品な雰囲気を醸し出している”男子の制服“を着ている”女子“だった。  「あれ?男子じゃ無かったの?」  「そう聞いてるけど・・・・一応、聞いてみようか」  そう明日奈に答えたキリトと明日奈は、“男装”している”女子“に話し掛けた。  「人違いならすいません・・・篠田真矢さんですか?」  
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