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特別室の患者や、親族には、だいたい皆、お近づきになりたいと思ってる。
特別室は、その名の通り特別な患者さんが、入室する。経済力があったり、身分や権力のある人だったり。たまに、世間から身を隠したいって理由の人もいるけれど…。
独身の看護師は特別室の患者相応の旦那探しだったり、もしくはパトロン探し。でなければ、お小遣いをもらえたり、新しい就職先を優遇してもらえたり。
とにかくみんな、特別室には進んで出入りするし、その住人とは仲良くなろうとする。
だから美月は特別室には、普段なら仕事がない。
元々そんな下心もない美月には、関心もなく、無事に1日を終えることのほうが大事なのに。
けれど…
今回の特別室にいるのは、いつもとは違う。
気にしない、何の感情も持っていない、そう思わなければならない患者さんだった。
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